Japanese
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綜説
バリストカルヂオグラフイー・基礎の問題点
Some Problems in Ballistocardiography as viewed from Basic Aspects.
北田 茂
1
Shigeru Kitada
1
1慶応大学医学部内科
1School of Medicine, Keio Univ.
pp.533-539
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200521
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Ⅰ.緒言
1939年, I. Starr1)によつてHigh-frequency table(俗称Starr型テーブル)が考案され,更にそれを使用した臨床実験や,長期に亘る臨床観察成績が報告されてBallistocardiograph (邦訳心弾計なるも,以下バリストとも略称)の価値が漸く認められる様になつた。更に同じテーブル型でもStarr型テーブルの欠点に着目してLow-frequency tableがJ. L. Nickerson2)(1944年)によつて考案せられた他,Tilting table, Rotating table等,特殊なテーブル型バリストが研究製作せられて,臨床にも使用された。一方,W. Dock3)(1949年)は上記の如きTableを用いる大掛りな装置を使用する事なく,固定した平坦な台上に仰臥した人体の一局部(頭部又は下肢)についてその動きを記録する事によつて,Starr型テーブルによる波形と略々類似な波形を記録する方法を発表した。そして以来,米国を始め,我が国に於ても,心電計が心収縮に伴う純電気的現象を記録する事により,心臓の機能的乃至器質的疾患の診断に有用な方法であるに対し,心弾計は心収縮に伴い,心・大血管系に発生する純力学的現象を記録する事により,各種心臓疾患の補助検査法として,又急性実験(Acute experiment)に使用して興味ある知見を提供する方法である事が認められた。
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