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ジュニアコース
バリストカルジオグラフィー(2)
Ballistocardiography.(2)
細野 清士
1
,
中村 芳郎
1
Kiyoshi Hosono
1
,
Yoshiro Nakamura
1
1慶応大学医学部笹本内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.385-391
発行日 1965年5月15日
Published Date 1965/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201450
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III.Ballistocardiogramの成因
心臓の活動と共に人体が動く現象を記録することから何を知り得るか,または何を知ろうとしたのかと言うことを今考えてみる必要があるのは非常に不思議な感がある。しかし,例えば心の仕事量を知りたいために,圧力,心拍出量を測定するというのは合理的であるが,ballistocardiographyの場合は,明らかなことは,振動と言う現象があるだけで,これが人体内の現象と物理的概念をどう結びつけた結果のものであるかは,初めから明らかであったわけではない。心音,心雑音の場合もその意味では同様であるが,この場合は雑音と弁疾患との間に臨床的関係があることが知られ,次いで心音計を用いて記録しておこうと考えることは理解出来る目的を持った出発点がある。ballistocardiographyの場合は,人体が大きく動く疾患の認識のために用いられ始めたと言うよりも,心拍出量と,この振動との間の関係が予想されたために研究が行なわれたと言えるであろう。心拍出量測定の目的は完全に達せられなかったが,同時に行なわれた臨床成績に何か有意義な方法と思わせる点があったために今日まで続いたと言える。そのため,ballistocardiographyで何が測られているかと言う疑問が今日まで残されてしまったのである。
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