綜説
Pressure-Flow Relationship
笹本 浩
1
,
中野 実
1
Hiroshi SASAMOTO
1
,
Minoru NAKANO
1
1慶応義塾大学医学部内科教室
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.130-136
発行日 1957年3月15日
Published Date 1957/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200468
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Ⅰ.緒 言
近年肺生理学の目覚しい進歩により,肺気量,換気,肺循環,拡散,及び酸・塩基平衡等の諸問題が明らかにされて来た。
さて,呼吸困難という症状は臨床家にとつては重要な問題であり,種々の研究がなされているが,動脈.血O2及びCO2が,安静時又は運動時に正常値を示す場合にも呼吸困難をあらわす場合があり,又最近の気管支成形術において,血液中のO2飽和度が正常でありながら,運動負荷により著明な呼吸困難をうつたえる例を見ているが,この様な問題をとくには,換気の際の力と抵抗との関係が明らかにされなければならない。今日迄これ等の試みがなされ,わが国においても二,三の報告に接してはいるが,1)完全に究明されたとはいえず,これらの原因について得られた知識は少い現状にある。
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