講座
Transmural Pressure
吉良 枝郎
1
,
福島 保喜
1
Shiro Kira
1
,
Yasunobu Hukushima
1
1東京大学医学部第3内科学教室
1The 3rd Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.109-114
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201991
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はじめに
血管抵抗という言葉に関連して容易に連想されるのは,小動脈壁平滑筋の収縮であり,あるいは圧勾配と流最であって,"transmural pressure"(人によっては経壁圧と邦訳している)という言葉は少なくとも第一義に想起される概念ではないことは事実であろう。とくにわれわれ臨床家にとっては,この言葉は無縁のように響くが,少なくとも血管収縮とか血管抵抗という面に興味をもとうとする場合には十分に理解さるべきものであると思う。かかる因子がいかに血行動態を決完するかを平易にかつ十分に解説しようとすることは,著者らのごとき臨床家にとってははなはだむつかしいことは明らかであるが,われわれ自身の考え方を再度整理する機会をあたえられたものと考え,あえて本文をしたためてみた。
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