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講座
血管床におけるPressure-Flow Relationshipの概念
Pressure-Flow Relationship in Vascular Beds.
藤本 淳
1
Kiyoshi Fujimoto
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adult Discases, Osaka.
pp.43-47
発行日 1966年1月15日
Published Date 1966/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201540
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はじめに
血液の流れは心臓を出て動脈に入り毛細管を通り静脈より心臓へと還流していく。この間の状態について血圧・流量・血量等の測定が行なわれ血行動態が論じられている。この血行動態は心臓を中心とした拍出のエネルギーに関するもの,大血管のpulsationやcompression chamber effectに関するもの,さらに毛細管の態度即ち血管床に関するものに区分されて研究されている。一般に血行動態に関する生理実験では血管内圧や流量を測定し,種々の薬剤の影響や神経反射等の研究を行なっているが,これらは第3の血管床の態度について検討を行なっている。現在の生理実験では血管床の血行動態の直接測定はできないので,流入および流出血管の血圧や流量の測定を行なっているのである。即ち血管床を血液の流れに対する抵抗として表現しているのである。これが血管床におけるpressure-flow relationshipである。この際注意しなければならぬのは外来の刺激や抑制が行なった場合と,ただ毛細管が導管として存在している場合とは異った条件下であるから,pressure-flow relationshipもこのような観点から整理されていなければならぬ。換言すれば外来刺激等のない場合の動態が基本であって,外来刺激等による影響をみる場合この基本的な変動を除去して検討しなければならぬのである。
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