読者より
先天性心疾患における色素稀釈曲線について(田口氏の論文を読んで)
細野 清士
1
,
木村 甲子郎
1
,
横山 剛
1
1慶大石田内科
pp.823-824
発行日 1956年11月15日
Published Date 1956/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200436
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Ear oximeter或はCuvette oximeterを用いての色素稀釈曲線の研究は完全かつ簡便な方法として近来盛に用いられるようになつた。殊にOximeterの出力を増幅して記録装置に連結すると,色素稀釈曲線を連続的に追究出来て先天性並に後天性心疾患の研究に便利である。Swan, Wood等は色素稀釈曲線の時間的分析を行い,曲線各部の名称を提唱した。但しこの色素稀釈曲線より心拍出量,PC (Peak concentration)等のような絶対量を求める場合には,Calibrationが正確でないと大きな誤差を生ずる。特にEar oximeterの場合にはCalibra—tionが不正確になり易いので注意を要する。
Nicholson等はOximeterによるT1824色素の稀釈曲線を第1図の如くに分類した。即ち右→左短絡では色素出現時間ATが正常よりも短縮する。これは色素の一部が短絡を通つて直接末稍循環に入る為であるとしている。又色素稀釈曲線には2つあり,第1の山は色素が短絡を通つて末梢動脈に到達したことを意味し,第2の山は正常の肺循環を通つた色素によるとしている。Wood,Montgomeryも同様のことを述べている。
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