Japanese
English
綜説
チアノーゼ性先天性心疾患に於ける色素稀釈曲線の臨床的応用
Clinical Application of Dye-dilution Curves to Cyanotic Congenital Heart Diseases.
田口 一美
1
,
井元 進
1
,
河西 正充
1
,
池田 容昻
1
Kazumi TAGUCHI
1
,
Susumu IMOTO
1
1岡山大学医学部津田外科教室
1Department of Surgery, Okayama University Medical School
pp.717-724
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200420
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緒 言
我々は既に非チアノーゼ性先天性心疾患の色素稀釈曲線の診断的意義に就いて報告したが,今回はチアノーゼ性先天性心疾患に就いて報告する。正確な診断は先天性心疾患外科の基礎である事は心臓外科にたずさわるものの等しく認むるところであろう。しかしながら,特にチアノーゼ性先天性心疾患では心臓「カテーテル」法,心臓血管造影法,逆行性大動脈撮影法等の比較的危険を伴いうる検査法が,その臨床症状の重症度或は年令的関係より施行不能の場合もあるので,安全かつ簡便な方法も必要である。この様な意味では色素稀釈曲線はその最適なものであつて,チアノーゼ性先天性疾患の補助的診断法として有力な手技であるといわねばならぬ。またさらに本法が重要な意義を有するのは術後早期における効果判定法としてであつて,上記の様な検査法が行い得ない時期において何等の危険もなく本法を施行出来ることである。
この様な重要な意義を有する本法ではあるが,文献的にみて,従来の報告は例数が少いので,我々はチアノーゼ性先天性心疾患35例について,その臨床的応用の意義について検討し,ここに報告する。
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