Japanese
English
特集 心肺性危機
肺結核外科に於ける心肺性危機,特に心肺機能面からする考察
Cardio pulmonary critical moments on the surgery of pulmonary tuberculosis, especially from the point of view of cardiopulmonary functions.
佐川 彌之助
1
,
日下 芳郞
1
,
栗林 弘栄
1
,
井原 晉
1
,
牛島 哲
1
,
中村 健
1
,
岩下 弘一
1
,
横山 崇
1
,
鹿島 栄造
2
Y. SAGAWA
1
1京都大学結核研究所外科療法部
2国立宇多野療養所
1The Tuberculosis Research Institute, Kyoto University
pp.119-129
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200328
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緒 言
近年我が国に於いても肺結核外科的療法の目覚しい発達をみ,現在ではその適応,術式,後患法等も略々完成されるに至つている。これに伴い,手術侵襲による直接死亡例も激減し,殊に気管内全身麻酔,輸液等の進歩は手術による直接死亡や早期死亡を殆んど零にまで減少し,術中,術後の心肺性不全も著しく軽度となつている。さらに術前,術後における化学療法の併用は,この傾向をますます助長し,今日では心肺機能をある程度無視してまでも,肺の結核病巣を切除し,又は虚脱せしめて,喀痰中の結核菌を陰性化せしめようという過去の治療方針を脱却して,如何にして術中及び術後に於ける患者の苦痛を軽減せしめ,術後に於ける心肺機能の低下を軽微ならしめるかに治療方針の焦点が向けられるようになつている。
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