Japanese
English
特集 心肺性危機
心肺性危機に於ける電解質代謝
Electrolyte Metabolism in Cardiorespiratory Crisis.
日野原 重明
1
Shigeaki Hinohara
1
1聖ルカ国際病院内科
1Medical Department, St. Luke's International, Hospital
pp.35-44
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200320
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前がき
心臓病患者がうつ血性心不全の状態に落入り,病状が進行すると肺循環の障害による肺機能の低下(肺不全)を来す。又急性或いは慢性肺疾患(肺気腫,気管支性喘息,肺フアイブローシス(fibrosis),肺塞栓症その他)に於いて肺胞の換気不全,肺血管の抵抗増大等による肺循環の障害が右心の負担を呼ぶと肺性心という状態を示し,遂には左心の搏出量減少をも来して全身の循環障害を招くことになる。
一般に循環器系の障害は肺不全をひき起し,又呼吸器系の障害は心不全をひき起す原因ともなるから,我々が診療する肺疾患々者や心臓病患者は,肺と心臓との不全がからみ合つて複雑な症状を呈することが多い。肺水腫はその一部は中枢性神経因子によつてもひき起されるといわれるが,その多くは慢性又は急性の心不全によつて生じ,肺機能の失調を招く。
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