Japanese
English
綜説
臨牀的肺機能検査法の体系化と,これに関聯して作成したノモグラムに就いて
Systematization of Clinical Pulmonary Function Tests and Our Nomograms with Reference to These Tests.
中村 健
1
,
佐川 彌之助
1
,
日下 芳郞
1
,
井原 晉
1
,
牛島 哲
1
,
栗林 弘栄
1
,
真鍋 貴
1
,
岩下 弘一
1
,
橫山 崇
1
Takeshi NAKAMURA
1
1京都大学結核研究所外科療法部
1Surgical Division of Tuberculosis Research Institute, Kyōto University
pp.233-250
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200228
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緒 言
近年に於ける胸部外科の目覚ましい発達は,心臟カテテリゼーシヨンの臨床的応用と相俟つて,術前,術後に於ける心肺機能の詳細な解明を我々に要求している。これに応じて,欧米では優れた肺機能検査法が相次いで発表せられ,我国でも特殊な研究目的からそれ等の追試が行われるようになつているが,それ等諸検査法のあるものは肺機能の一面を知るには極めて優秀な方法てあつても肺機能を綜合的に知るには不充分であり,又あるものは理論的には卓越した方法であつても,実地臨床的には技術的にかなりの面倒を伴うものであるために,日常の臨床的肺機能検査法としては未だしの感あるものが少くない。斯る意味合から実地臨床的には肺活量や呼吸停止時間等の測定のみで事足れりとされている場合すらも少くないが,胸部外科の現状をみると,この程度の検査では到底満足し得ぬ状態となつているのである。
昭和27年4月以降,我々は肺結核患者を主なる対象とした肺循環の研究を行つているが,その間以上のような現状から臨床的肺機能検査法の体系化の必要性を痛感するに至つたので,昭和28年5月以降,本問題に就いて種々検討しつつあつたが最近漸く一応の体系を整えるのに成功し,これに関聯して一連のノモグラムを作成することが出来たので,その大要を報告する次第である。
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