Japanese
English
特集 心肺性危機
Anoxiaにおける心肺性危機
Cardio-Pulmonary emergencies in acute induced anoxic anoxia.
笹本 浩
1
,
長嶺 敦夫
1
H. SASAMOTO
1
,
A. NAGAMINE
1
1慶大医学部内科教室
1School of Medicine, Keio University
pp.55-66
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200322
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〔I〕はじめに
Anoxiaという言葉が組織の酸素欠乏状態をあらわすものであるならば,組織O2欠乏を来すみちすぢとしては,1)吸気O2濃度の減少,2)気道または呼吸機能障碍による肺胞気O2分圧の低下,3)肺胞・肺胞毛細管間のO2拡散の阻害4)血液ことに血球素Hbの減少または変性,5)Hbの変化はなくても肺・体血流の流速・流量の変化,6)組織のO2摂取能力の低下などが考えられる。このうち4)5)6)の各項に属するものはそれぞれ血液,循環系,組織に器質的機能的障害があり,anoxiaは二次的な現象であるとともに臨床的にもその原因疾患に対する対策が第一の目的となる。またその病態生理学的変化も,anoxiaに由来するものは1)2)3)の場合のごとくO2の運搬体である血液にまでO2の到達し得ない場合,即ちabsolute anoxic anoxiaに際して起る変化を以て殆んど説明し得るものである。
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