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特集 心肺性危機
外科面に於ける心肺性危機—後天性心疾患の手術について
The Emergency of Cardio-pulmonary Circulation through Surgery with Special Reference to Operation of Acquired Heart Disease.
小沢 凱夫
1
,
曲直部 寿夫
1
,
藤本 淳
1
Y. OZAWA
1
1大阪大学第1外科
1Ⅰst. Surgical Department, Medical School of Osaka University
pp.105-118
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200327
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後天性心疾患の外科的治療の道は1920年代に始まり,Cutler, Levine1)等の多くの業績があるが1949年Bailey2),Harken3)等による僧帽弁狭窄症に対するcommissurotomy,或はvalvuloplastyは心臓外科という新らしい分野を確立するに至つた。我が国に於いても昭和10年来,榊原亨並びに我々がこの問題に手をつけ,昭和18年には日本外科学会に於いても,宿題「心臓外科」がとりあげられた。この間の消息は今春,医学総会に於いて述べた所である4)。
心臓外科の進歩は,各種胸部手術間に得られた経験,麻酔の知識,心肺性動態の知識を根拠としてのみ行われて来たものである。従つて初期には心臓内手術を安全に行う技術的問題と,心臓疾患の病態生理解明に向けられたわけである。前者の技術的問題に関しては,我々は直視下心臓内手術を目標として研究を進め,榊原亨は心臓鏡を用いる事を目標として研究が進められて来たもので,これらの研究は時期的に決して欧米に遅れたものではなかつた。
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