Japanese
English
診療指針
炭酸脱水酵素抑制剤による利尿について
Diurctic action of Decarboxylase Inhibitor
上田 英雄
1
,
永野 允
1
Hideo UEDA
1
1慈恵会医科大学内科教室
1Ⅰst Internal Jikeikai medical college
pp.687-694
発行日 1955年11月15日
Published Date 1955/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200299
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
腎の電解質調節に関する最近の研究は,1)2)腎酸性化機構(Renal acidification mechanisms)が炭酸脱水酵素(Carbonic anhydrase)の影響を受け,これがイオンの交換に関与しておることが解つた。即ち腎尿細管細胞中でCarbonic anhy—draceによつてHイオンが遊離し,その結果HCO3とNaイオンの再吸收が行われている。Carbonic anhydraseが抑制されると,尿細管上皮細胞でHイオンの産生が減り,Hイオンと交換される糸球体尿中Naイオンの再吸收が少くなり,Naイオンはそのまゝ尿中に排出される。或る条件のもとでは,未梢尿細管でHイオンの分泌が減少するときは,Kイオンも尿中に多く排出される3.)4.)。
1940年Mann et Keilin5)によりSulfanilamid. Sulfonamid誘導体がCarbonic anhydrase作用を抑制し,次でこれらの化合物によつて尿のアルカリ性化を来すことが示された。6)7)8)然しSulfo—namidの腎Carbonic anhydrase作用抑制が証明される以前に,これらの物質がアルカリ尿,Na. K. の排出を引き起し,Hyperchloremic aci—dosisの発生を来すことが知られて居たのである9)10)。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.