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特集 第5回神経化学懇話会
一般演題
18.炭酸脱水酵素阻害剤の抗てんかん作用について
Antiepileptic Property of Carbonic Anhydrase Inhibitors
谷向 弘
1
,
西村 健
1
,
乾 正
1
,
播口 之朗
1
Hiroshi Tanimukai
1
1大阪大学医学部精神神経科学
1Dept. of Neuropsychiatry, Osaka Univ. Medical School
pp.902-907
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904084
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I.
1952年Bergstromら5)が炭酸脱水酵素(CAH)の特異的阻害剤であるAcetazoleamide(Diamox)がてんかんに有効であると報告して以来,臨床経験が重ねられ,今日ではDiamoxの抗てんかん作用は広く承認せられています18)。
Dialnoxは第1図のような化学構造をもつた物質で,そのCAH阻害作用は遊離のSulfonamide基による性質だといわれています22).われわれが臨床的に使用している抗てんかん剤には極めて多種類のものがありますが,Diamoxは特定の酵素に対する阻害作用が明確に知られているほとんど唯一の物質であり,その酵素阻害作用と抗てんかん作用との関係の追求は生理学的にも薬理学的にもまた臨床的にもはなはだ興味ある研究テーマであると思われます。Grayら13)はDiamo-のSulfonalnide基を他の種々の基で置換するとCAH阻害能と平行して抗痙攣作用も著しく弱められることを証明し,両者の間に密接な関係のあることを示しました。
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