Japanese
English
綜説
炭酸脱水酵素
Carbonic Anhydrase
小野 容明
1
,
太田 保世
1
Yoshiaki Ono
1
,
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部第2内科
1Department of Pulmonary Disease, Toukai University School of Medicine
pp.1139-1145
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900774
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
哺乳動物の肺組織には炭酸脱水酵素(以下CA)が存在する.この酵素にはアイソザイム(表1)があり,肺組織を構成する細胞により種々の局在様式をとる.現在でもそのパターンは明確に固定されていないが,膜結合型CAの細胞内局在様式やその生理学的作用に関する研究が行われており興味深い1).最初に肺組織内CA活性を見出したのはBerfenstamである2).彼はヒト肺のホモジネートの生物化学的同定を行った.以来四半世紀が過ぎようとしているが,肺組織内のCA活性の総量については統一見解がない3).これは測定方法の差,測定肺の赤血球のcontaminationや実験動物の種特異性などが原因となっている.以下にいくつかの実験モデルを挙げ,肺のCAの作用について述べる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.