Japanese
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講座
鉱質代謝・2
Mineral Metabolism・2
吉利 和
1
Yawara YOSHITOSHI
1
1東京大学医学部
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Tokyo
pp.477-481
発行日 1955年8月15日
Published Date 1955/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200266
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2.腎による調節
種々の鉱質の出納は,汗,消化液その他二三の例外的の喪失ということを除くと,大部分が腎による調節をうけることになる。電解質の摂取ということは,かなり任意的なものとなり,非常な広範囲にわたつて変動するものであり,しかも体液の組成がかなり一定したものだとすると,どうしても腎による排泄作用の調節が非常に広範囲にわたって行われなければならないであろう。じつに腎による排泄作用とは,このような意味でhome—ostasisという概念をもつて総括的に呼ばれることの中心に立つものということができるであろう。そして,この腎機能によつて調節される内容として,古くからよく知られているのは,体液および電解質の量,等張性維持,各組成の比率を一定にすること,酸塩基平衡などである。これらhomeostasisの作用を行いうるということは,生体全体としての内部に生じた何らかの刺戟に対して,とくに敏感に作用するメカニズムが腎にあるということを意味する。これらの刺戟としては,正常からの特異的な偏りそのものである場合もあり,またそれら異常から続発した二次的の変化でもありうる。
腎の機能的単位はいうまでもなくネフロンである。ネフロンは両側腎を合せて2,000,000近く存在している。第1図はネフロンを模型的に示したものである。
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