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中枢性低Na血症に対し,鉱質コルチコイド剤を投与し,その治療効果から発生機序を考察した。対象は,1992年4月から12月の間に頭蓋内疾患で入院し,中枢性低Na血症を併発した14例である。鉱質コルチコイド剤としてfludrocortisone acetateを使用し,投与量は0.1mg/日(1例のみ0.3mg/日),投与期間は3.7日間,投与経路は経管5例,経口9例であった。治療効果は,14例中12例(86%)に認められ,副作用の出現例は1例も存在しなかった。尿中Na排泄量は,全例投与前に比し減少しており,その平均減少率は,44.3%であった。また,血漿ANP値は,100pg/ml以上の症例が2例存在し,これらに著効例は認められず,投与量不足と考えられた。中枢性低Na血症に対し,鉱質コルチコイド剤は,Na排泄を抑制することにより効果が期待され,このことは,中枢性低Na血症の発生機序として腎尿細管におけるNa調節機構の障害が存在する可能性を示唆すると思われる。
Patients with hyponatremia of central origin were treated with a mineralocorticoid, and the patho-genetic mechanism of the hyponatremia was asses-sed based on the therapeutic effect obtained. The subjects were 14 patients ( 6 with subarachnoid hemorrhage, 3 with hypertensive intracerebral hem-orrhage, 2 with cerebral infarct and 3 with head injury) who developed hyponatremia, as a complica-tion during their hospital stay for their intracranial lesions from April to December 1992.
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