Japanese
English
症例
先天性大動脈洞(Valsalva洞)動脈瘤右心室内破裂の1例
A Case of Congenital Aneurysm of Aortic Sinus (Valsalva) with Rupture into the Right Ventricle.
杉江 三郞
1
,
三枝 正裕
1
,
和田 達雄
1
,
渡邊 弘
1
,
平手 資郞
1
,
佐藤 文雄
1
,
山川 邦夫
2
,
太田 怜
2
Saburo SUGIE
1
,
Kunio YAMAKAWA
2
1東京大学木本外科教室
2東京大学田坂内科教室
1Department of Surgery, University of Tokyo Medical School
2Department of Internal Medicin, University of Tokyo Medical School
pp.270-274
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200231
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大動脈洞Sinus Aortaeとは大動脈の起始部において大動脈弁の附着部が半月帆の連続として大動脈の側方へわずかに膨出している部をいうのであつてValsalva洞ともいわれている。
この3つの洞は冠動脈との関係から右冠洞right coronary Sinus,左冠洞left cornary Sinus.,非冠洞non-cornary Sinusと名づけられこれらの心臟に対する位置関係1)はふつうは右冠洞は右心房および右心室に隣接し,左冠洞は左心室外側に,非冠洞は右および左心房前面に位置するがこれらの関係は必ずしも一定しない。球中隔の発育不全によつておこるこの部の先天性脆弱性のためにこの部に動脈瘤が形成されさらにその破裂のために大動脈洞と前記のその位置関係とによつて心臟内部のいずれかの腔との間に大動脈心臟瘻Cardio-aortic Fituleが形成されるものであつて先天性心疾患のうちでもきわめて稀な異常に属しJones & Langley1)によれば1949年迄に文献上25例の報告をみるのみであるとしている。その後Vening2)は3例について報告しFalholt3)は逆行性大動脈撮影によつて診断した1例を報告しまたMicks4)は3つの大動脈洞のすべてから動脈瘤を発生していた4例について報告し合計33例の報告がある。
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