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あとがき
巽 浩一郎
pp.1226
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200063
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吸入ステロイド薬の適切な使用方法の普及により,喘息死は減少してきているが,「喘息死ゼロ」には到らず,「難治性喘息」の治療・管理は今後も医学的課題になる.「経皮・経腸感染とアレルギー性疾患」の関係は「発育」に大きな影響を与える.気管支喘息は小児から高齢者まで幅広い年齢層で認められる.何らかの遺伝的素因の上に環境要因が加わり発症・増悪してくるが,高齢者喘息では,繰り返す感染症の罹患・老化が,病態修飾因子として働き,同じ「喘息死」という用語を使用しても,小児と高齢者では異なる(Woolcock AJ. AJRCCM 157:S203, 1998の病理写真を引用).小児では,重症のアレルギー性炎症の結果として,気道攣縮,浸出物による気道閉塞が「喘息死」に繋がると推定されるが,高齢者では末梢気道の構造的変化が基盤にあり,それに何らかの増悪因子が加わり「喘息死」に至ると推定される.
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