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あとがき
巽 浩一郎
pp.612
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102509
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「呼吸と循環」関連疾患での最大の問題は,動くと苦しい,日常活動性が低下する,QOLが低下する,である.「労作時呼吸困難」の背景には,換気・血流不均等の悪化,安静時・労作時低酸素血症が関与している.「換気」はCOPD,間質性肺炎などに代表されるように,種々の呼吸器病態に影響されている.「肺血流」は肺高血圧症に代表されるように,肺血管病変・心機能に影響されている.その結果が「換気血流比(VA/Q)」であり,これは安静時を基本として考えるが,労作時,睡眠時で変化してくる.病態の根本は病理変化であり,VA/Q変化の臨床推論として画像所見・生理機能検査所見は重要な根拠となる.COPD,間質性肺炎,肺高血圧症それぞれの運動時低酸素血症に伴う病態生理学的変化を理解することは,より良い呼吸器・循環器臨床に繋がるはずである.
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