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あとがき
巽 浩一郎
pp.1304
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102125
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呼吸と循環2012年最終号は,巻頭言の「特発性肺線維症」に始まり,「肺癌個別化治療におけるバイオマーカー」,「睡眠時無呼吸症候群」,「胸膜中皮腫」,そして症例報告と続く.どれ一つとして,病名診断だけでは治療ができない.症例毎に「個別の病態診断,治療」が必要である.「内科」という観点でみると,subspecialityである「呼吸器」「循環器」の分野も,さらにsub-subspecialityに細分化され,それぞれの専門家がいる.普遍性と個別性を同時に考え(図),研究者はそれぞれの分野での最先端の臨床・基礎研究をしている.専門家といえども,自分の専門外領域の研究者から学ぶことは多い.内科医はこれらすべての分野を学び,適切な内科診療を指示しうる臨床能力を有するべきとされている.いやはや大変な時代である.日本肺癌学会は2012年9月に「肺癌診療ガイドライン」一次治療の改訂版を公表した.遺伝子変異,PSを考慮して,治療指針を呈示している.本特集号のEGFR,KRAS,ALK,TS,さらには2012年3月にNat Medで報告されたRET融合遺伝子を含めて,肺癌ガイドラインは進化していくと予想される.
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