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あとがき
巽 浩一郎
pp.1180
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102376
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平成21年度,厚生労働省の定める難治性疾患の一つである「肺動脈性肺高血圧症(PAH)」の認定基準が変更になった.PAHはその病態により治療反応性・予後が異なり,それぞれの病態の原因究明,治療方法の開発には,申請時の診断が正確であることが望ましい.本特集号では,ニース分類を踏まえての肺高血圧症(PH)へのアプローチ(中西論文)に始まり,PHの成因(阿部論文),肺静脈閉塞症(PVOD)(植田論文),呼吸器疾患PH(辻野論文),膠原病PH(桑名論文),門脈圧亢進症PH(田村論文),シャント性心疾患PH(八尾論文),左心系心疾患PH(福本論文),慢性血栓塞栓性PH(CTEPH)のカテーテル治療(松原論文)と,現時点で日本のPH分野におけるトップリーダーの先生方に参画頂けた,素晴らしい特集号になった.2013年2~3月,フランスのニースで開催されたWHO主催のワールドシンポジウムで使用された絵(下図)は,本特集号のように,多分野の関係者が手を繋いで,PHを取り巻くさまざまな問題を議論しようという趣旨を表現していると感じている.呼吸器内科,循環器内科のみならず,膠原病内科,消化器内科,循環器外科,小児循環器,病理など,種々の分野の専門家が協力して,PHの病態解明,治療戦略の開発にさらに前進できればと期待している.
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