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あとがき
巽 浩一郎
pp.1266
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101859
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呼吸器領域の臨床・研究における画像診断の展開には目を見張るものがある.かつては胸部単純写真をいかに読影するかが問われていた.解剖学および病態を考慮して,背腹方向の重なりのある構造物の異常を如何に見抜くかが問題であった.心眼がいかに優れていても,人間の目には限界がある.胸部CTは胸部単純写真読影の裏付けとして重要な意義を有して登場し,技術の進歩とともに新展開が続いている.CTは肺野の情報を得やすいことは当然であるが,さらに気道および肺血管に注目した展開,さらには三次元組織である肺の立体画像診断がCTの領域では展開してきている.非侵襲的に生体情報を得られるのは画像診断の最大の利点である.空気含有量が多い肺という臓器でMR画像を如何に臨床に生かすかが問われてきたが,機能的胸部MRIという展開がみられている.気管支鏡は気道内腔からの診断的アプローチであるが,さらに詳細に病的情報を捉えようという努力が,蛍光プローブ,超音波内視鏡である.呼吸中枢機能は日常臨床では意識されないかもしれない.しかし脳機能研究の分野でも画像診断が利用されている.本特集号は下図の下半分を採り上げており,画像診断の面白さを味わって頂ければと願っている.
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