発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200005
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呼吸器系は呼吸の度に外界から気道に侵入し常に環境因子に曝されている臓器であり,大気中の酸素にも曝され酸化ストレスとその消去系の均衡が最も要求される臓器でもある.このように環境因子と遺伝子の相互作用によって病態が形成され疾患が発生するが,その疾患は多彩であり,腫瘍性疾患から炎症・アレルギー性疾患まで多岐にわたる.環境因子は社会情勢,産業構造,気候によって変化する因子もあり,また,疾患の病態解明の進歩に従って環境因子と疾患の関係が新たに明らかになる.本号では,特集に「環境因子と呼吸器疾患」を企画した.環境因子のなかでは,最近,再度注目を集めている大気汚染とレアメタル,疾患では,気管支喘息,COPD,間質性肺炎,呼吸器系悪性腫瘍を取り上げた.循環器領域では,冠動脈性疾患の診断と治療の進歩は著しく,このなかでも動脈硬化性変化を描出・診断可能な血管内イメージングの現況について「急性冠症候群の血管内イメージング」の題で解説頂き,その他,「静脈血栓塞栓症の治療」,「MRI対応ペースメーカー」を取り上げた.呼吸器領域では,呼吸機能障害を来す病態の画像シリーズとして本号では「肺胞性肺疾患」,新しい肺炎球菌ワクチンが使用可能となる予定であり,「肺炎球菌ワクチンの最新の知見」を解説頂いた.本号は,呼吸器領域と循環器領域の最新の話題を提供し,これに加えて症例報告を2編掲載した.
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