Japanese
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綜説 ブロンコスピロメトリー
肺結核症とブロンコスピロメトリー
Bronchospirometric Studies in Pulmonary Tuberculosis
牧田 曄
1
Akira MAKITA
1
1結核予防会 結核研究所
1Research Institute, Japan Anti-Tuberculosis Association
pp.311-314
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200352
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肺活量は周知のごとく,1846年Hutshinsonによつて始めて測定され,以後,特に肺結核の領域においてその利用を拡めてきた。また肺結核症にたいする虚脱療法が普遍化するにおよんで機能的適応の撰択,障害度の判定などに逐次改善が加えられ,更に左右別肺活量測定法が完成するとともに外科領域は著しく拡大された。しかしながら本法による挿管は不可避であるので,測定値に正確を期すには挿管技術や挿入管に数次の改良が加えられ,研究的,臨床的,外科領域に導入され略々満足すべき段階に達するに到つた。近年直達療法の比重が倍加し,虚脱療法は漸次減少の傾向にあるが,その裏には左右別肺活量測定を含むその他の心肺諸機能にたいする関心を見逃すことは出来ない。この間,左右肺を分離して考察することは直達療法の前提たるに止らず,呼吸系乃至肺循環系の両面から肺機能を解明するうえに不可欠となりRahn1),Pump2),Pishman,Cournand3)らの実験にもうかがえるごとく重要な問題であるが,基礎的研究において未解決の分野は少くなく実験方法にも仮定の介在を必要とするので困難ではあるが興味あるものといえよう。本稿はブロコスピロメトリーおよびそれを応用した諸実験について従来の業蹟を考察するとともに我々の実験成績も併せ綜説するものである。
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