Japanese
English
Current Opinion
耐性菌
Antimicrobial Resistant Bacteria
大曲 貴夫
1
Norio Ohmagari
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
1Disease Control and Prevention Center, National Center for Global Health and Medicine Hospital
pp.279-283
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102433
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耐性菌に関する最近の動向
MRSAによる医療関連感染症が社会問題として認識されたのは今から30年ほど前のことである.これ以降MRSAをはじめとした多剤耐性菌が日本でも問題となった.その後も本邦では大学病院などの大病院を中心とした多剤耐性緑膿菌感染症の院内アウトブレイク,その後は多剤耐性アシネトバクター感染症の院内アウトブレイクなど,多剤耐性グラム陰性桿菌が大きな問題となってきている.
また,世界的にも多剤耐性菌は大きな問題となっている.その象徴的な出来事として,2011年の世界保健機関(WHO)の年次総会(World Health Assembly)にて,Antimicrobial resistance(AMR)が主たる議題として取り上げられた.世界的に多剤耐性の菌の問題は顕在化し,一方でこうした多剤耐性菌に対抗できる新規抗菌薬の開発は鈍っている.製薬企業も,その戦略上の理由から新規抗菌薬の開発には腰が重く,抗菌薬事業から撤退している企業も多く存在する.このような状況で政・官・産・学が共同して対策を練るべきとの狙いから,AMRを世界的な健康危機と認識して対策を打つための活動が,WHOを中心として展開されている.
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