Modern Therapy 炎症治療--感染症を中心に
薬剤耐性菌
三橋 進
1
Susumu Mitsuhashi
1
1群馬大学医学部微生物学教室
pp.518-523
発行日 1980年7月10日
Published Date 1980/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206275
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
エールリッヒによるサルバルサンの発見にはじまる化学療法の進歩は,原虫,細菌感染症に対する恐怖から人類を解放することに成功した。特にフレミングによるペニシリンの発見,それに続くワックスマンによるストレプトマイシンの発見は,化学療法剤の生産を土壌微生物生産物に対象をおくことができるという手段をわれわれに教え,その後,人智による薬の創作と,自然に作りだした抗生剤をひろいあげるという二つの手段で,化学療法の黄金時代が生まれた。
化学療法の進歩により,赤痢,チフスなどの病原性の強い細菌による,いわゆる法定伝染病は治療が容易となり,公衆衛生学の進歩も伴って,その発症は極めて少なくなった。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.