Japanese
English
Bedside Teaching
末期心疾患に対する緩和医療
Supportive Care for End-stage Heart Failure
野々木 宏
1
,
大石 醒悟
2
Hiroshi Nonogi
1
,
Shogo Oishi
2
1静岡県立総合病院
2兵庫県立姫路循環器病センター循環器内科
1Shizuoka General Hospital
2Department of Cardiovascular Medicine, Himeji Cardiovascular Center, Hyogo
pp.269-277
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102432
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はじめに
循環器領域では,移植医療や人工心臓をはじめとする補助循環の導入で,これまで致命的であった症例が救命可能となり,今後も治療抵抗性難治性循環器疾患に対しては,新しい治療開発の努力を継続していくことが求められている.最近では,植え込み型の補助人工心臓が使用可能となり,移植適応症例が植え込み後に在宅で待期できるようになった.その装置を移植適応でない末期心不全例に使用するdestination治療が欧米で実施され1),今後わが国でも対応が求められている2,3).また,高齢化に伴い大動脈弁狭窄が増加し,手術リスクが高いため手術不能例が多く,そのような症例に経カテーテル大動脈弁植え込み術が実施されている4,5).そのような新しい治療法の適用を検討していくなかで,適応や中断条件などについて,超高齢化時代に即した治療体系の確立が必要とされている.そこには,癌を中心とした終末期医療対策と異なった医学的また社会的なコンセンサスの確立が必要と考えられる.そのなかで,循環器医療における末期的な状況に対する治療的介入について,緩和ケアも含めた統合的な取り組みが必要である.
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