Japanese
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Bedside Teaching
循環器領域における末期医療への取り組み
Strategy for End-stage Cardiovascular Care
野々木 宏
1
Hiroshi Nonogi
1
1静岡県立総合病院循環器内科
1Division of Cardiology Shizuoka General Hospital
pp.419-426
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101938
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はじめに
治療の進歩により難治性疾患の救命率が向上している一方で,救命されたなかで社会復帰困難例や,回復の見込みのない症例も増加し,医療の現場はその対応に苦慮しているのが現状である.特に循環器領域では,移植医療や人工心臓をはじめとする補助循環の導入で,これまで致命的であった症例が救命可能となり,今後も治療抵抗性難治性循環器疾患に対しては,新しい治療開発の努力を継続していくことが求められている.そのような新しい治療法の適用を検討していくなかで,適応や中断条件などについて,超高齢化時代に即した治療体系の確立が必要とされている.そこには,癌を中心とした終末期医療対策と異なった医学的また社会的なコンセンサスの確立が必要と考えられる.
そのなかで,循環器医療における末期的な状況に対する治療的介入について,緩和ケアも含めた統合的な取り組みが必要である.その対策として,日本循環器学会のガイドライン作成合同研究班において「循環器疾患における末期医療に関する提言」を作成した1).本稿では,その骨子を紹介したい.
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