Japanese
English
Bedside Teaching
ネーザルハイフロー
Nasal High Flow Therapy
横山 俊樹
1
Toshiki Yokoyama
1
1公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科
1Department of Respiratory and Allergic Medicine, Tosei General Hospital
pp.263-268
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102431
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はじめに
近年,呼吸管理の手技・手法の発展は目覚ましく,呼吸不全に対する管理は多種多様な治療法を駆使されるようになってきている.さらに新たな概念として,ネーザルハイフローシステムという酸素療法が登場した.ネーザルハイフローシステムは特殊な鼻カニューレから最大60l/minまでの高流量の混合酸素を供給する酸素療法である.回路には通常の挿管人工呼吸管理と同様のものを用い,途中に加温加湿器を備えることで,経鼻カニューレからの最大60l/minという超高流量であっても患者の快適感を損なわない酸素療法として紹介されている.酸素濃度の正確な設定や十分な加湿ができることから軽症から中等症の低酸素患者に有用性が考えられ,従来の酸素療法と非侵襲的人工呼吸療法(noninvasive ventilation;NIV)の中間に位置する新たな呼吸管理方法として注目されている.本邦では2011年より臨床使用が可能となっているが,実際の臨床使用経験・エビデンスも少なく,適正流量の設定方法や各種使用方法が十分に確立されてはいない.本稿ではこの新規酸素療法である,ネーザルハイフローシステムについて現時点での適応・有効性と限界について論じる.
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