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特集 最新の心房細動治療戦略―長期持続性心房細動に対するアブレーション
アブレーションの新たな考え方―過剰アブレーションの問題点
Review of Additional Ablations to Pulmonary Vein Isolation in Atrial Fibrillation Ablation
桑原 大志
1
Taishi Kuwahara
1
1横須賀共済病院循環器センター内科
1Cardiovascular Center, Yokosuka Kyosai Hospital
pp.218-225
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102423
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はじめに
過剰なアブレーションが行われてしまう理由は,患者ごとの心房細動のメカニズムが不明なためである.それを明らかにするためには,心房内膜,心房外膜,心房筋層内の電気的興奮状態を,同時に心房全体で観察する必要がある.しかし,現段階では,それが不可能なために,研究者は心房細動を治療する際に,ある手技が心房細動のメカニズムの重要な部分を治療しうるという仮説を立てて,アブレーションを実施している.しかし,実際には,その仮説そのものが誤っていたり,また,正しいものでもあっても,患者により心房細動のメカニズムは異なるために,その仮説が当てはまらない患者も存在する.そのような患者にとっては,その治療手技が過剰,もしくは的外れなものになってしまう.
また,臨床的有用性という観点から,ある治療手技が本当に過剰であったかどうかを判断するためには,長期間の経過観察を要するものもあり,現段階で評価を下すのは極めて困難である.
本稿では,心房細動アブレーション手技の内,肺静脈隔離術を基本手技とし,それ以外に追加的に行われる,complex fractionated atrial electrogram(CFAE)アブレーション,自律神経節アブレーション,線状アブレーションを取り上げ,それぞれの現段階で評価可能な利益と不利益を指摘し,追加的アブレーションを行うことの諸問題を論じてみたい.
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