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あとがき
平山 篤志
pp.96
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102398
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季節外れの台風の影響で日本の各地で被害が出ています.被災された皆様,そのご家族の方々に,心よりお見舞い申し上げます.
このような自然災害が起こるたびに被災される方々の多くが高齢者である.敏捷に動けないために逃げ遅れる,一人住まいで情報が伝達されにくい,などの理由はあるが,その背景にはわが国の抱える高齢化という問題がある.すべての先進国はこれから高齢化を迎えるが,その中でもわが国は急速に進むことが予想され,2050年には,65歳以上の人口と65歳以下の人口の比が1:1.2となる.このような急速な高齢化社会を迎えるにあたって限られた社会資源の中で,全国民の負担軽減には高齢者が病気にならず,健やかに暮らせるようにする必要がある.死因の第一位は40~60歳台では,悪性新生物であるが,高齢者では心血管疾患である.高齢者が健やかに暮らすには,心血管疾患を予防することが重要である.米国では,予防に1ドルかけると3.5ドル医療費を抑制できるというデータもある.
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