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はじめに
近年Structural Heart Disease(心構造疾患,もしくは構造心疾患)に対するインターベンションがにわかに脚光を浴びつつある.これは従来広く施行されてきた冠動脈インターベンションに対し,「心臓の構造異常」に対するインターベンションとして,別のジャンルとして捉えられている.しかしこれは必ずしも新しいものではなく,例えば1984年に本邦の井上寛治先生が開発され,現在世界標準となっている,僧帽弁狭窄症に対する経皮的僧帽弁裂開術(percutaneous transvenous mitral commissurotomy;PTMC)1)や,肥大型閉塞性心筋症(hypertrophic obstructive cardiomyopathy;HOCM)に対する経皮的中隔心筋焼灼術(percutaneous transluminal septal myocardial ablation;PTSMA)2)は比較的古くから行われてきた.また心房中隔欠損症に対する閉塞栓の治療などは,欧米では比較的早期から導入されている.しかし近年,経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)に代表される,「新しい」インターベンションが登場し,弁膜症やその他の分野の治療に大きなパラダイムシフトを起こしつつある.そこでSHDインターベンションが再び脚光を浴び,新しい分野のインターベンションとして再登場している.つまりSHDインターベンションは古典的なものも含みつつ,新しく登場したものを包含した概念であり,近年脚光を浴びている.
本稿ではこの「古典的な」インターベンションから「新しい」ものまで含んだ「SHDインターベンション」について,俯瞰的に述べてみたいと思う.
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