巻頭言
循環器内科と呼吸器内科
稲瀬 直彦
1
1東京医科歯科大学呼吸器内科
pp.991
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102342
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2000年頃より全国の多くの大学において内科が臓器別に再編され,それぞれが診療・研究に十分な専門性を発揮することとなった.循環器内科あるいは呼吸器内科に入局した世代の医師も増えたが,かつてナンバー内科に入局した者として当時のことを時に懐かしく思い出す.
ナンバー内科は循環器,腎臓,消化器,呼吸器など複数のグループから構成され,入局者は最初の2~3年で各グループや関連病院をローテートし,内科医としての一通りの修錬を受けた.現在の卒後研修システムにおいては研修医が半ばお客さんの立場になりがちであるが,ナンバー内科では研修医は医局の一員として厳しくも手厚く指導され,比較的短期間に使える内科医に育っていった.ただし,各ナンバー内科に含まれていない専門領域については経験が不足し,自身の努力で身につける必要があった.大学全体の問題として,例えば消化器や呼吸器グループが複数のナンバー内科に存在し,それぞれが中途半端になる傾向があった.さらにナンバー内科における問題として,チーフが教授以外(当時の名称で助教授,講師あるいは助手)のグループは相対的に少ないスタッフで活動することとなり,各領域で全国的に十分に認知されない面があった.
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