増刊号 CT・MRI—“戦略的”活用ガイド
各科に直撃! よくある紹介疾患,紹介前にあるといい検査,紹介後にする検査
循環器内科
石田 純一
1
1東京大学医学部循環器内科
pp.300-303
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200077
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循環器内科はコンサルトをよく受ける科の1つである.紹介理由は胸部不快感,労作時呼吸困難,動悸,失神といった症状から,心電図異常,心エコー異常といった検査所見の異常,狭心症や心不全などの既知の心血管疾患に対する精査加療,心血管疾患を有する患者の術前評価に至るまで多岐にわたる.コンサルトの理由を問わず,病歴の聴取,特に心疾患も含めた基礎疾患とその経過,処方内容の聴取が必須かつ最重要であることは言うまでもない.例えば「胸痛の精査をお願いします」という紹介内容で循環器内科を受診したところ,問診してみると「他院で冠動脈ステントの治療歴があり,多数の内服薬の処方を受けているが,患者自身は処方内容を把握していない」というケースも往々にしてあるので注意されたい.循環器内科受診時に診療情報が揃っているのとまったく情報がないのでは,その後の診療スピードに大きく影響する.
循環器内科に紹介する際は一般採血,心電図,胸部X線は紹介前に最低限施行されているべきであろう.例えば「動悸」を主訴として循環器内科に紹介されたものの,検査がまったく施行されておらず,諸検査の結果貧血に伴う動悸であった,という転帰はあまり望ましいとはいえない.
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