Japanese
English
綜説
COPDのnatural history
Natural History of COPD
長井 桂
1
Katsura Nagai
1
1北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
1Division of respiratory Medicine, Department of Internal medicine Hokkaido University Graduate School of Medicine
pp.1039-1044
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102343
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)は,多くは中高年以上の長期喫煙者に発症する.2011年に大改訂された国際ガイドラインGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)では「正常に復すことのない気流閉塞を特徴とする疾患であり,この気流閉塞は通常進行性で有害な粒子またはガスに対する異常な炎症性反応と関連している」と定義した1).
COPDの気流閉塞は肺胞の破壊を伴う肺気腫(肺胞破壊)と炎症・リモデリングを伴う末梢気道の狭窄性病変(末梢気道病変)が様々な割合で組み合わさって起こるものであり,通常は進行性であるとされている.病初期には無症状であるが,気流閉塞が進行し肺の病期が進むにつれて労作時の呼吸困難を自覚するようになる2).呼吸困難が進行すると活動性の低下が起こり,さらに全身状態の悪化が起き死に至る.一秒量の低下はCOPDの増悪頻度の増加につながり,増悪により活動性や全身状態の悪化はさらに進行すると考えられている(図1).
COPDは多様性のある疾患であり,病状は長期間にわたり進行することから自然歴を知るのは困難であるが,早期の介入がその後の進行を変える可能性もあることから,自然歴の研究は極めて重要である.
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