特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第4章)循環器内科・呼吸器内科 気管支喘息・呼吸器疾患
松山 洋美
1
,
堂嶽 洋一
,
町田 健太朗
,
井上 博雅
1鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学
キーワード:
喘息
,
妊娠合併症
,
抗喘息剤
,
周術期管理
,
臨床的増悪
Keyword:
Perioperative Care
,
Asthma
,
Anti-Asthmatic Agents
,
Clinical Deterioration
,
Pregnancy Complications
pp.200-206
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140454
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<産婦人科医におさえてほしいポイント>通常、妊婦は胎児の発育や出産に関して大きな不安を抱いており、特に、妊娠中の薬剤の使用について非常に神経質になっている。しかし、妊娠中の気管支喘息の発作は、母体のみでなく胎児も低酸素にさらされ、流産や胎児発育不全、脳障害の危険因子となる。喘息発作による胎児および妊婦への危険性を考慮すると、妊娠中でも喘息の治療を継続する方が、有益性が高いことを十分に説明する必要がある。妊婦中の喘息患者は、無症状であっても増悪予防のための対策(治療の継続、抗原回避、環境整備、禁煙など)をとって、発作を予防して呼吸機能を維持することが重要である。長期管理薬としては、吸入ステロイド薬(もしくは長時間作用型β2刺激薬配合剤)が第1選択となる。妊娠中の喘息症状の管理に関しては、産婦人科医と呼吸器内科医の連携が重要である。
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