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特集 心臓病における核医学検査の進歩
心筋症への新しい応用
Clinical Value of Radionuclide Imaging in Non-ischemic Cardiomyopathies
石田 良雄
1
Yoshio Ishida
1
1市立貝塚病院循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Kaizuka City Hospital
pp.1029-1038
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102341
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はじめに
心筋症は,心エコー図での異常所見に基づいて心臓カテーテル検査が実施され,心筋生検によって確定診断されるのが一般的である.しかし心筋生検は,例えば心臓サルコイドーシスのように,病変が局在する場合はsampling errorが生じて検出率が低い.また,病変の拡がり(重症性)については評価が困難である.そこで,心筋生検に代わりうる画像診断法の進歩に期待が寄せられてきた.現在のところ有力と目される手法は,核医学とMRIである.MRIでは,最近のトピックスとして,組織線維化巣を高分解能で描出できる遅延造影MRIの適用がある1).線維化巣の分布パターンに基づいて心筋症の鑑別診断を行うものである.一方,核医学では,負荷心筋血流SPECT,心プールスキャンが従来から適用され,心筋虚血評価,心機能評価に有効性が認められてきた.この分野では,心筋虚血評価における心筋血流PET検査の導入(肥大型心筋症),心不全重症度判定を目的とした心臓交感神経機能ならびに左室dyssynchronyの評価(拡張型心筋症)が最近の進歩である.さらに,鑑別診断として,病変特異性の高いトレーサを利用した炎症病変の描出(心臓サルコイドーシス),組織沈着物の描出(心臓アミロイドーシス)に成果が認められる.
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