Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
呼吸リハビリテーションとは
1.定義
呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)は,「患者の症状を軽減し,QOLやADLを向上させ,より積極的に社会参加を促すことを目的とし,徹底した患者評価から,呼吸器疾患患者の日常生活活動を全人間的に支援する科学的根拠に基づいた包括的医療介入である」と定義される1~5).そして,この医療介入においては,運動療法,教育,行動変容だけではなく,患者個々の必要性に応じたオーダーメイド治療を行い,慢性呼吸器疾患患者の心身の状況を改善し,長期のアドヒアランスを増強する行動が促進されなければならない1).呼吸リハビリは,患者評価に始まり,患者・家族教育,薬物療法,酸素療法,理学療法,作業療法,運動療法,社交活動などの種目をすべて含んだ包括的な医療プログラムによって行われる(図1)1,4).すなわち,包括的呼吸リハビリは,患者およびその家族に対して,多次元的医療サービスを多くの職域にわたる専門家チームの協力すなわち学際的医療チームによって提供する医療介入システムである.
2.医療チームの構成
医療チームは,医師,看護師,理学療法士,作業療法士,呼吸療法士,管理栄養士,薬剤師,酸素機器業者,ソーシャルワーカー,心理療法士,介護士,言語聴覚士,社会福祉士,臨床工学技士などすべての医療職種から構成され,必要に応じて患者を支援する家族やボランティアも参加する(図2)1,4).医療チームのなかでは,チームコンセプトの統一やプログラムの方向付けに関わるディレクター(医師),スタッフ間の連携,情報の共有,プログラムの調整を行うコーディネーター(看護師,理学療法士など)の役割が重要である.この医療チームのなかでコーディネーターは医療チームの中心的存在であり,常に患者と関わることにより,プログラムの進行・習得状況を把握し,メンバーや患者に対して,こうした情報をフィードバックし共有するという最も重要な役割を担っている1,4).
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.