Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸器疾患とGERD―Up-to-date
Gastroesophageal Reflux-associated Respiratory Diseases:up-to-date
久田 剛志
1
,
石塚 全
1
,
草野 元康
2
Takeshi Hisada
1
,
Tamotsu Ishizuka
1
,
Motoyasu Kusano
2
1群馬大学大学院医学系研究科病態制御内科学呼吸器・アレルギー内科
2群馬大学医学部附属病院光学医療診療部
1Department of Medicine and Molecular Science, Gunma University Graduate School of Medicine
2Department of Endoscopy and Endoscopic Surgery, Gunma University Hospital
pp.953-960
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102049
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はじめに
日本人においてもGERD/逆流性食道炎の増加が指摘されている.2006年,エビデンスに基づいた国際的なコンセンサスとしてMontreal Definition1)が発表された.この考え方を取り入れて,2009年に日本消化器病学会から「日本人の」ガイドライン策定が行われた.Montreal Definitionも日本消化器病学会編「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン」2)もともに,呼吸器疾患との関連については,「食道外症状」の項目が設けられて記載されている.慢性咳嗽,慢性喉頭炎,喘息は多因子疾患であるが,成因の一つとして胃食道逆流が考えられることが明示され,「関連性が確認されたもの」として扱われている.また,咽頭炎,副鼻腔炎,反復性中耳炎,肺線維症,閉塞性睡眠時無呼吸症候群では,胃食道逆流についての十分なエビデンスがまだそろっているとは言えない.これらの疾患に対して,GERDの治療を一般臨床で広く行うのは時期尚早であり,臨床研究として行うべきと考えられたため,「関連性が予測されるもの」としてまとめられた.GERDと呼吸器疾患の関連については,2009年のガイドライン発行以降も重要な研究成果が報告されてきたため,今回は呼吸器内科医の視点からも最近の興味ある研究報告に言及し,概説したい.
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