Japanese
English
綜説
カテーテルアブレーションの新しい技術
New Technology of Catheter Ablation
木村 雄弘
1
,
三好 俊一郎
1
Takehiro Kimura
1
,
Shunichiro Miyoshi
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
1Department of Cardiology, Keio University School of Medicine
pp.946-952
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102048
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はじめに
心臓は電気で動く臓器である.1900年代に最初の心電計が発明され,1940~1950年代に心臓カテーテル検査が可能となったが,当時は頻脈性不整脈に対する治療は薬物療法が中心であった.1960年代に入って心内電位の記録が可能となり,上室性頻拍の原理の解明やヒス束などの刺激伝導系が解明された.その後,電気生理検査中に生じた心室細動を直流除細動した際に房室ブロックが発生したことからカテーテルアブレーションの歴史は始まり,1981年に第1例目が報告された.1989年のCAST試験以来,薬物療法は大きな転換期を迎え,非薬物療法の位置づけが飛躍的に向上した1).1990年代には電極カテーテルや高周波発生装置の技術が進歩し,欧米で急速に普及し,1994年に本邦でも保険適用が認められた.現在ではカテーテルアブレーションは開胸術を必要としない,不整脈発生源に対する根治療法として確立したものとなっている.
日本における不整脈患者は数百万人に及び,カテーテルアブレーションを受けた患者は年々増加傾向である.また,その技術は日々進歩を遂げ,それとともに治療成績も向上し,治療戦略も多様になっている.本稿では,そのカテーテルアブレーションの最新技術を紹介する.
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