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特集 新しい肺炎の概念:医療・介護関連肺炎
医療・介護関連肺炎の概念
The Concept of Nursing and Healthcare-associated Pneumonia
今村 圭文
1
,
河野 茂
2
Yoshifumi Imamura
1
,
Shigeru Kohno
2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学(第二内科)
2長崎大学病院第二内科
1Department of Molecular Microbiology and Immunology, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences
2Second Department of Internal Medicine, Nagasaki University Hospital
pp.567-573
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101974
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従来の肺炎の分類(市中肺炎と院内肺炎)の特徴
日常診療において,肺炎は罹患率が高く,予後の面からも重要な疾患である.肺炎は原因菌の種類と重症度・予後の面から,市中肺炎(病院外で発症した肺炎)と,院内肺炎(入院48時間以降に院内で発症した肺炎)の2つのタイプに分類されてきた.
表1に市中肺炎と院内肺炎の原因菌の違いを示す.市中肺炎では肺炎球菌が最も多く,次にインフルエンザ菌や非定型病原体(マイコプラズマ,肺炎クラミジア)が続く.一般的に感性菌が多く,薬剤耐性菌のために治療に難渋することは少ない.一方,院内肺炎では緑膿菌,MRSAの頻度が高く,その他のグラム陰性桿菌も原因菌となる.耐性菌が多いことが大きな特徴で,治療が極めて困難な多剤耐性緑膿菌や,頻度は少ないがステノトロフォモナス・マルトフィリア,ブルクホルデリア・セパシアなど非常に耐性傾向が強い菌も原因菌となりうる.また,欧米では多剤耐性アシネトバクターが問題となっており,今後はわが国でも注意が必要である.
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