特集 透析室の感染症へどう対応するか
各論 7. 透析患者の肺炎治療への「医療・介護関連肺炎」の概念の導入―終末期肺炎の議論,高齢者における肺炎発症予防について
田邊 嘉也
1
1新潟県立新発田病院呼吸器内科
キーワード:
医療・介護関連肺炎
,
透析患者
,
高齢社会
,
予後不良(末期)肺炎患者
Keyword:
医療・介護関連肺炎
,
透析患者
,
高齢社会
,
予後不良(末期)肺炎患者
pp.595-601
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000497
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肺炎の分類として従来までの市中(CAP),院内(HAP)という分け方にさらに医療関連(NHCAP)という考え方が加わった.透析患者の肺炎はこのNHCAP に含まれるが,まだデータが少ないため今後も透析患者の肺炎の検討は継続して必要であろう.さらに高齢化社会の進行に伴って肺炎の死亡数は増加傾向にあるが,透析患者も同様と考えられる.新たに作成された「成人肺炎診療ガイドライン2017」において,高齢者においては治療による予後改善には限界があるというデータとあわせ,終末期の概念を導入した治療区分という考え方が推奨されている.今後は治療のみではなくワクチン接種など肺炎の発症予防という観点も重要視した形で肺炎診療が変化していく必要があると考える.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.