Japanese
English
特集 自律神経系と循環器疾患
動脈圧受容器反射と血圧・心機能調節
Arterial Baroreflex and Regulation of Blood Pressure and Cardiac Function
杉町 勝
1
Masaru Sugimachi
1
1国立循環器病研究センター循環動態制御部
1Department of Cardiovascular Dynamics, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.237-245
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101906
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
循環器系は全身の恒常性維持のために最も重要な器官系のひとつである.しかし,それ自体が循環調節系によって一定範囲に調節されることによって生体の恒常性維持をより容易にしている.動脈圧受容器反射系はそのような循環調節系のなかで最も重要な調節機構である.その動作様式を理解するためには制御部だけではなく制御対象部である循環器系自体の機能的な側面を包括的に理解しなければならない.
そのため,本稿ではまず,循環器系全体を大括りでかつ必要十分な程度にまで要素に分解し,各要素の普遍的な特性を理解することを試みる.それらが再結合することにより心拍出量や血圧がどのように変化するのかについても概説する.次に動脈圧反射系がこれらの特性のなかのどれに影響して血圧を正常化するのかを述べる.さらに複数の特性に対して影響を及ぼす際に,どのように協調的に作用しているか,また協調的に作用することによってどのような効果をもたらしているのかについて概説する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.