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特集 テネイシンCと心臓・血管病変
心室リモデリングとテネイシンC
Ventricular Remodeling and Tenascin C
佐藤 明
1
Akira Sato
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科循環器内科
1Cardiovascular Division, University of Tsukuba Graduate School of Comprehensive Human Science
pp.1083-1088
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101820
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はじめに
心室リモデリングは,組織の修復過程の異常や過剰と捉えられており,実質細胞の増殖と再配置,線維芽細胞の分化・増殖と遊走,血管新生,細胞外基質(extracellular matrix;ECM)分子の産生とその分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)などが関与する分子機構が最近注目を浴びている.急性心筋梗塞後や心筋炎後,拡張型心筋症では,心内腔の拡大とともに心室機能障害を呈する心室リモデリングが発症し,心不全への進展がみられる.
本稿では,急性心筋梗塞,心筋炎,拡張型心筋症に伴う心室リモデリングにおけるテネイシンCの動態,分子機能,それを応用した診断,治療戦略について論じる.
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