Japanese
English
特集 テネイシンCと心臓・血管病変
脳血管疾患とテネイシンC
Tenascin C in Cerebrovascular Diseases
鈴木 秀謙
1
,
芝 真人
1
,
藤本 昌志
1
,
滝 和郎
1
Hidenori Suzuki
1
,
Masato Shiba
1
,
Masashi Fujimoto
1
,
Waro Taki
1
1三重大学大学院医学系研究科脳神経外科学分野
1Department of Neurosurgery, Mie University Graduate School of Medicine
pp.1099-1105
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101822
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はじめに
テネイシンC(tenascin-C;TNC)をはじめとするmatricellular蛋白は,中枢神経系では主にアストロサイトにより発現され,成長過程における細胞増殖,分化,遊走やシナプス形成などに重要な役割を果たす1).また,中枢神経系疾患や脳損傷が生じると,反応性グリオーシスの形成に伴い,その発現は増強され,組織損傷の修復や恒常性維持に寄与すると推測されている1).
本稿では,代表的な脳血管疾患である脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage;SAH)を取り上げ,その病態とTNCの役割を理解し,TNCの発現を制御することにより,脳血管病変の治療に応用できる可能性について概説する.
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