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特集 最新の呼吸器疾患ガイドライン
COPDのガイドライン
Guideline for the Diagnosis and Management of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
永井 厚志
1
Atsushi Nagai
1
1東京女子医科大学呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Tokyo Women's Medical University
pp.337-344
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101671
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はじめに
日本呼吸器学会から第3版として上梓された「COPD診断と治療のための新ガイドライン」1)では,①定義:病因としてタバコ煙の文言を定義の冒頭に明記,②病期と重症度:本症の病期(気流閉塞の程度)と重症度(病状の程度)は異なることを記載,③維持管理:呼吸機能障害と全身状態を加味し判定した重症度に基づく治療法の選択,④喘息病態合併のCOPD:喘息治療を優先,⑤医療連携:病診の役割と連携のあり方を明示した点などが,主たる改訂事項である.ことに治療と管理に関して新ガイドラインでは,従来のガイドラインと大きくその内容が異なっている.すなわち,これまでのガイドラインにみられた気流閉塞(1秒量の程度;病期)を指標として治療・管理方針を決定するのではなく,呼吸困難,運動能力の低下,増悪の頻度など諸症状の程度を勘案したうえで重症度を判断し治療をすることが推奨されている.日常診療の場では,慢性疾患の進展を継続的に観察しながら,その病態に最も適切な治療法を選択,施行しその効果を検証しながら,個々の患者にとり最善の状態に到達することが肝要であることを指摘している.
以下,新ガイドラインにみられるCOPD診療のエッセンスを提示する.
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