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特集 最新の呼吸器疾患ガイドライン
気管支喘息のガイドライン
Guidelines for Asthma Treatment
大田 健
1
Ken Ohta
1
1帝京大学医学部呼吸器・アレルギー内科
1Division of Respiratory Medicine and Allergology, Teikyo University School of Medicine
pp.345-350
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101672
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はじめに
喘息の診療では,気道閉塞と慢性の気道炎症を念頭に,個々の患者にとって適切な治療を実践することが重要である.ガイドラインは,EBM(evidence based medicine)を基にした治療の規範となるものである.本稿では,2009年に改訂されたわが国の最新の「喘息予防・管理ガイドライン」(JGL2009)1)について概説する.JGL2009は,これまでのガイドラインに比べて大きな改訂がなされており,その要点は以下の7つに集約される.
1.成人喘息は治癒しないことを前提に,喘息のコントロール良好の維持を目標としている.
2.JGL2009の段階的薬物療法は,治療の強弱を基にした治療ステップによる.
3.長期管理薬の中心は吸入ステロイドで,全治療ステップで使用が推奨される.
4.無治療で受診している患者では重症度を判定し,該当する治療ステップを選択する.
5.治療中の患者では,コントロール良好かどうかを判定して治療を調整する.
6.新薬として新しい吸入ステロイド(ICS),ICSと長時間作用性吸入β2刺激薬の配合剤,アレルギー性の最重症持続型に適応となる抗IgE抗体などが加わっている.
7.喘息死ゼロ達成の鍵となる高齢者喘息についても慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療が提示されている.
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