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特集 呼吸器疾患と分子標的治療
ウイルス感染症と気道炎症の分子標的治療
Molecular Target Therapy for Respiratory Infection:respiratory virus infection and airway inflammation
山谷 睦雄
1
Mutsuo Yamaya
1
1東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座
1Department of Advanced Preventive Medicine for Infectious Disease, Tohoku University Graduate School of Medicine
pp.1019-1026
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101559
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はじめに
呼吸器領域に「分子標的治療」という用語を用いる場合,筆者はこれまで「肺癌の治療」を想定してきた.しかし,抗ウイルス薬・抗菌薬の仕組みを理解する場合,呼吸器感染症の治療も,細胞レベル,あるいはウイルスや細菌の構成分子を対象としていることは間違いない.呼吸器感染症のうち,ウイルス感染症に関しても,ウイルス側の分子と宿主側の細胞との相互関係や増殖経路が明らかになり,感染阻止に対する標的分子が鮮明になってきた.増殖経路が明確になるにつれ,治療薬が開発され,特にインフルエンザ感染の治療方法は昔と異なった様相を呈してきた.
本稿では気道ウイルス感染症に的を絞って,分子標的治療の現状について紹介したい.
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