Japanese
English
Current Opinion
新規抗癌剤による肺癌の治療—新規抗癌剤有用性のエビデンス
Treatment of Lung Cancer with New Drugs:Evidence of the usefulness of newly developed anticancer agents
中西 洋一
1
Yoichi Nakanishi
1
1九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設
1Research Institute for Diseases of the Chest, Faculty of Medical Sciences, Kyushu University
pp.519-523
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902474
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
新規抗癌剤による肺癌の治療をめぐる最近1年間の話題
21世紀の終わりまでに,肺癌に対する新規薬剤とたて有望視される5種類の薬剤が臨床に供されるようになった.タキサン系薬剤のパクリタキセル,ドセタキセル,トポイソメラーゼI阻害剤のイリノテカン,葉酸拮抗剤のゲムシタビン,植物アルカロイドのビノレルビンである.非小細胞肺癌に対して,これらの薬剤はすべて単剤で奏効率が20%を越え,中央生存期間は40週前後ある.これは,従来の抗癌剤単剤の成績や,シスプラチン併用療法の成績を上回っている.
このような成績をもとに,これらの新規薬剤の最適の投与法,併用における最適の組み合わせ,どのような患者を対象とすべきかといったことを明らかにするための臨床試験が世界各国で積極的に実施されている.この臨床研究は,おおむね以下のように分類することができよう.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.